銀の魔術師と還りし人々
24.夜明け 02「――あかりは?」
「奥じゃないの。今機嫌悪いから会わないことを激しく勧めるが」
「夏葵、帰ろうよ。俺八つ当たりされたく――へっくしょん」
「帰れ帰れ」
くしゃみをした香葵を見て、利は追い払うように手を払った。
「帰れついでにあちらさんも帰ってほしいよ、俺は」
「ああ、あっちな」
朋也は淡白にそういった。利はうんざりしている。
静まり始めていた鳴動が、どん、と強く起きた。
「う…………」
朋也が耳を押さえる。
何か聞こえる。
タマユラ、タマユラト、……ヤミノ、フチノナカ
――――ユラ、……ユラ…………
イノチ……ユラ、タマユラ――――ノヤミノ…………
「何だ……?」
ユラリタマユラ、タマユラユラリ、
ウツロガヒトツ、ニクシミヒトツ、
ユラリタマユラ、タマユラユラリ、
ココロガヒトツ、ネタミガヒトツ、
ユラリタマユラ、ウツロガヒトツ、
ユラリタマユラ、ネタミガヒトツ、
ユラリタマユラ、ウツワガヒトツ、
ユラリタマユラ、ミタマガオリル、
ユラリタマユラ、タマユラユラリ、
ユラリタマユラ、タマユラユラリ、
ユラリタマユラ、タマユラユラリ、
ヤミノタマユラ、タマユラユラリ、
カミヨノヤミニ、タマユラユラリ、
オンナタマユラ、タマユラユラリ、
トコヨノヤミニ、タマユラユラリ、
イノチタマユラ、タマユラユラリ、
ウツセノヤミニ、タマユラユラリ、
ユラリタマユラ、タマユラユラリ、
タマユラユラリ、ユルシハアラズ、
タマユラユラリ、オチゴガヒトリ、
タマユラユラリ、ノロイミチミチ、
タマユラユラリ、ソノミホッセン、
タマユラユラリ、ユラリタマユラ、
タマユラユラリ、イノチユルサジ、
タマユラユラリ、ソノミユルサジ、
ユラリタマユラ、タマユラユラリ、
ユラリタマユラ、ココロコロサン、
ユラリタマユラ、チニクコロサン、
タマユラユラリ、ユラリタマユラ、
タマユラユラリ、イノチユルサジ、
タマユラユラリ、ソノミユルサジ、
ユラリタマユラ、タマユラユラリ、
ユラリタマユラ、ココロコロサン、
ユラリタマユラ、チニクコロサン、
頭が割れる、狂う――