銀の魔術師と還りし人々

9.妄執 03
斬るというより、切っ先が触れた先から首の組織が崩れた。

「死死死死死死死、死、死死、死……死…………」

す、す、と空気がすり抜ける音。
バランスの崩れ体がぐしゃりと音を立てて崩れる。
ずぶずぶと嫌な音を立てて床に沈む。
ひっかけられて燭台が倒れ、火が掻き消える。
ゆっくりと腐汁がにじんだ。
「…………」
床板の色が変化する。
呪力は薄まったのに、まだ腐る。
「…………」
後味が悪い。
真相はわからない。
酷く頭痛がした。

は、とため息が出たが、息を吸い込みたくなかった。