銀の魔術師と還りし人々

9.妄執 02
夏葵の呟きに対する答えなどなく、小田原だったものはただ不快音を放ち続ける。

「殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺」

あかりが剣先でそれを示した。
「これに聞くこと、ある?」
夏葵は首を横に振った。
「聞きたいことはあるが、聞き出す自信はない」
この狂態では手に負えない。
術を使って、果たして効果が認められるだろうか。

「殺死殺殺殺殺殺殺死死殺殺殺殺殺死殺死殺殺殺死殺殺死死死死殺殺死死死死死死死死死死死死」

夏葵は首を左右に振った。
気分が悪い。
回答を求めるより、一刻も早い終結を迎えたい。
音が不快すぎて頭が割れそうだ。



「――もう死んでくれ」