銀の魔術師と捕縛の糸
21.エピローグ 02「お前が体育館の結界ぶち抜いたんだってな」
よくもまあ、あかりにしろ母親にしろ、夏葵の計画をぶち壊してくれる。
よくもやるなと思うが、もうどうでもいい。終わったことだ。
「ん、まあ……」
むしろあかりにとってはどう片づけたのか気になっているようだ。
利も知りたいと声を上げた。
香葵に至ってはステージにいるうちに全部終わっていて、何もわからない。
「それなー」
夏葵は机に突っ伏した。
「何か親父が出張ってきてるのに気付いた時には、学校側は片付いていたって言うか。組合も」
「…………」
凄い親だな、と香葵を含めた3人の顔が言っている。
一番最初に口を開いたのはあかりだった。
「何拗ねてるの?」
「別に」
「何へこんでんの?」
「……別に」
へこんでるでしょ、とあかりは聞く耳を持たなかった。
夏葵はしばらく呻いていいたが、しばらくして口を開いた。
「夏休み、あいつのところに行くぞ!」
そしてぽつりと呟いた。
……俺はしっかり手の内かよ。