銀の魔術師と捕縛の糸
21.エピローグ 01『てなことになったわけよ』
「うんうん」
健一は書斎で携帯の相手をしていた。
『それで、片づけお願いしちゃっていいの?』
「うんうん。任せて。なんとでもなるよ」
健一は朗らかに笑った。
『……ね、健一。一つ聞いてもいい?』
「うん? どうしたの?」
『夏葵が小さい時のアレって、犯人追いかける暇なんてなかったわよね?』
「え? うん。そうだけど。――それがどうしたの?」
『なんか、へんてこな事を言ってる子がいたから……気になって』
「変なこと?」
『そう、変なこと――夏休みに夏ちゃんたち誘ったから、一緒に来てよ。その時にゆっくり話すわ』
健一はひっそりと笑った。
「うん。3人そろっていくから、その時はよろしくね?」