銀の魔術師と捕縛の糸

7.暴発 04

――――――轟っ――――――



「っ―――!」
結界が、

利はとっさに転がって呪力の奔流から逃れた。
風船に穴をあけたのと同じだ。
結界の一点が破れて、そこから呪力が怒涛となって流れた。



あかりが立ちあがったあの瞬間、
怒りにまかせて、叫びながらあかりが結界を殴った。

その瞬間、利は色をなくした。
利はあかりに結界を抜かれたことが幾度かある。
利にとって、馬鹿は夏葵ではなくあかりだった。

―――――――――轟、轟
轟、轟…………………………

利が張った結界が崩されていく。
吸収される。
逆流する。
呪力が渦巻く。
不定形な形を歪めて、うごめく。
風向きが変わる。
流れて、流れて、流れて、流れて
呪力が、集まって、
戻って、