銀の魔術師と孤独の影

18.しゃれこうべ 01
「彼方に棲まいし者ども、今ここに蘇りて荒らぶる者ども、此方の夢を懐かしむ者ども。我問う。今ひとたびの目覚めに求めし物は何か」

魔法陣の中心で夏葵が低く口を開いた。
「我問う。汝らの憎しみは何か」
魔法陣の各所が微光を放ち始める。
それはゆっくりと線上を巡り、辺り一帯に渦巻く呪力の中で輝く。
禍気が薄れていった。
魔法陣が――いや、あの光が強すぎる呪力を吸収しているのだ。
「我問う。汝らが汝らたる元は何か」
ざわり、と空気が震えた。



ウオオォ――――――――――
影が一斉に吠える。



空を仰いで、
急速に影を濃くしながら、



風が吹く。
世界がぶれた。

空から舞い落ちる、これは






雪―――――――?