銀の魔術師と孤独の影

18.しゃれこうべ 02
臨界を超えた。
あるいは、境界があいまいになったというべきか。

空からちらつく雪。
吹きすさぶ寒風。
血の匂いのする荒野。

――俺が夢で見続けた、幻想の世界。



辺りには嘆きと死が満ちていた。
枯桜の姿はない。
古の戦場。
鉄さび臭い血の匂いが吹きだまっている。
そのなかにぽつねんとあかりが立ちつくしていた。
利も、香葵もいる。
その背後に立つ、影は――――



「後ろだっ!」



振り下ろされた欠けた刃が、白く軌跡を描いて首筋に吸い込まれた。