銀の魔術師と孤独の影

fragment4
オオォォゥァ…………
オオォォゥァァ…………

オオォォゥァ…………
オオォォゥァァ…………



「……これはひどい」
しわがれた声が、人気のない荒野に落ちた。
木枯らしの吹きすさぶ夜半。
月はない。かすかな雪すらちらついている。

オオォォゥァ……
オオォォゥァァ……

地には枯草が広がるばかり。
光すらささない、滅び野原。

オオォォゥァ……
オオォォゥァァ……

彼はしばらくそこで目を閉ざしていたが、ふと、手にした杖――杖の先に鈴がついたものを突いた。
「汝らは、哭いているのか――」
シャン…………
「一体何を嘆いておる――」
シャン…………

強い風が吹けば、轟々という地鳴りとともに黒く煙るものがあった。
「汝らがいくら哭いても嘆いても仕方あるまい――――――眠れ――――――」