銀の魔術師と孤独の影

13.目覚め 04
――雪?

……………………違う。
……………………冷たくない。

肌に吸いつくように降り注ぐ、これは………………



これは、桜――?



オオォォゥァ――
オオォォゥァァ――――

ああ、また。

嗚呼――
御魂が、ないている――

まただ――。
いつの間にか、暗闇の中には夏葵が一人だけいた。



ずっとこの繰り返しが続いている。
現実感が乖離し、気がつくとひとり、夢の中の暗闇に立っている。
途中の記憶がない。
夏葵は夢の中でぼんやりとそんなことを思った。これも目がさめれば、いつものようにきちんと部屋で眠っているのだろう。

ああ、そうだ。あかりに調べると言っていたことは調べたのだろうか――。
月の巡りと、星の巡りと、平瀬の歴史と、呪力と――――






―――――――――ぼう



――――ぼう――――ぼう

………………………………………………ぞっ