銀の魔術師と孤独の影

fragment2
おおぉぉぅぁ…………
おおぉぉぅぁぁ…………

闇に包まれた平原に風鳴りとうめきが満ちる。
そこには、たくさんの男たちがいた。
たくさんの、男だった者たちもいた。

そして泥沼のように広がる血と、血と、血と、血と、
その中に折れ立つ、幾本もの矢。

そして渦巻く、苦悶と、苦悶と、苦悶と、苦悶と、
怨嗟と、怨嗟と、怨嗟と、怨嗟と、怨嗟。

おおぉぉぅぁ…………
おおぉぉぅぁぁ…………

――――…………

意味のない呻きだった音の中に、ぽつりと『言葉』が混じった。
つられて、呻いていた男たちは天を仰いだ。

おおぉぉぅぁ…………
おおぉぉぅぁぁ…………



嗚呼……
冬ガ来ルノダ……
アラユル命ノ絶ユル…………
白キ、冬ガ……



おおぉぉぅぁ…………
おおぉぉぅぁぁ…………