銀の魔術師と孤独の影

11.プロローグ 01 文章が入ります。

オオォォオォォ―――――――

風鳴りが直に意識を揺さ振る。

ニクイ
ニクイ

御霊が、ないている。
暗闇の中で、孤独に。

ニクイ
ニクイ
ニクイ―――――――――――






嫌な夢を見た。
まだ薄明かりしか差し込まない部屋で、夏葵はぼんやりと夢を思い返した。
哀しく吠える亡霊たちの。

しばらく平穏だったが……。

ずっとそういう訳にはいかないらしい。
仕方なしに夏葵は起き出すと、窓を開け放った。