銀の魔術師と孤独の影

4+.逆探索 04
夏葵が出ていって数分。気配も余韻も完全に消えてから、あかりはひっそりと笑った。
「きまりだね」

今朝感じた違和感。あれは魔術の発動によるものだ。
夏葵の体からは魔術の残り香が感じられた。
これでもあかりも一流の魔術師である。
――何のつもりかは知らないけど、あたしの縄張りに入ってきた新人に好き勝手されてらんないわね。
夏葵が目覚めるまでに、あかりは現代魔術師組合とコンタクトをとり、夏葵が魔術師であることを確認した。

――地の利を持った魔術師がいるってこと、教えてあげなきゃね。
ひとりでにんまり笑うと、あかりは教室を出て行った。