銀の魔術師と還りし人々

11.エピローグ 02
「ただいまー」
あかりは平然と鳥居をくぐったが、夏葵と香葵は無言。
物的被害はないが、なんか台風一過という雰囲気がある。
花衣と紅衣が境内で黒羽根を拾っている。
花衣はぱっと表情を輝かせると「としー!」と駆けていった。
読んでこなくていいのに、というのが本音。
「あ、おかえりー」
授与所から出てきた慧はなぜか絆創膏やガーゼを貼っていた。
そして低気圧の中心になっている、利。
「で、あれの修繕費と諸経費もろもろはどこに請求すればいいんだ?」
「あー……えーと、小田原かな?」
「ふっざけんなー!!」
お前の問題だろうお前が出せー!! という叫びが裏山に木霊した。