銀の魔術師と孤独の影

1.プロローグ
現代、日本。

科学と技術が専横する世界で、魔術師は息を潜めて存在していた。



「私立明桂学院……か」
「なあ、あれじゃね!? あれだろ!」
「……お前うるさい」

ノートをめくっていた少年がうるさそうに呟く。
そのノートには、幾何学的図形の組み合わされたもの――魔法陣がある。



世間を騙し、あらゆる身分を隠れみのにして、魔術師は現代社会に生きようとする。



――そう、彼らのように。