神代回顧録

雛 01
この記は、遥か昔
神代の少年の、生の記憶である



古代、古えに人代と神代あり。
人代、その営み短く、その生は拓けし地に根付く。
神代、その営み長く、その生は迷いの果てに息づく。

霞深き深き山道の、惑い迷い進みし先に、神筋の命の里、異筋の命の里あり。
豊かで、静かに、時に激しく、生を営む。
時に慶び事に湧き、時に忌み事に涙す。
物物は筋毎に地に宿り、時に交わる。

その始まりは定かならず、また語り手今生に残らず。
わずかに残りし古き覚え、それを以って原始とす。