彼岸花の咲く川で

小話
【拍手お礼小説より】


竿で水面をつつく。
暗い水面には俺の真顔が映っている。
その下には銀色にうごめく影。
普段から可愛がっている魚たちである。

「そーいやお前たちって何食ってんの?」
常日頃から疑問に思うことがある。
その答えはいつも「ちっちゃなお口にずらりと並んだ鋭い歯をお披露目」という威嚇で返される。

今回もまた……



辺り一帯の魚たちがジロリと澪実に視線を向け、くわりと口を開いた。

……俺のこと、そんなに嫌い?